スキップしてメイン コンテンツに移動

Green School in Bali


 12月21日、幼稚園から高校まで、独自のカリキュラムと学びの環境で注目を集めるバリ島のGreen School(グリーン・スクール)に行ってきました。といっても私は今回3度目の訪問。1、2回目はガイドの通訳として、3度目の今回は、東京から来ている現役高校3年生のれいなちゃんと我が家の2人の息子と近所の仲良しお友達のカイト君と学校見学に行きました。

れいなちゃんは、バリ島の我が家のツリーハウスに9泊滞在しながら、これから起業家としての一歩を踏み出す準備のために、または、今後進学となった場合に自分がどう進んでいきたいのかをより明確にするために、バリ島で環境問題とビジネスを学びに来ました。

男ばかりの我が家に娘ができたみたいです!

グリーン・スクールは我が家から車で35分ほど。見失いそうなぐらい細い小道のエントランスの先の広大なジャングルの中に、この学校があります。
え、この道の奥に本当にあるの?というぐらいのエントランスです。



世界一エコな学校としてこちらでも紹介されています。

ホームページや創始者のジョン・ハーディーのTEDトークはこちらから。

と、グリーン・スクールについてはご存知の方もいると思いますが、私の感想を書いてみたいと思います。

この学校のミッションが
"A community of learners making our world sustainable (世界を持続可能なものにする学び人のコミュニティ"とあるように、トイレから食べるものから黒板から教材からスクールバスから建物まで、全てが持続可能なもので、それらが作り上げられるプロセス自体を学びとしてカリキュラムに取り入れられいます。本当、いちいち全てがサスティナブルです!


教室の屋根は茅葺き屋根

壱岐もSDGs未来都市の一つですが、そのSDGのS=Sustainable=持続可能は、これからの未来のために世界中でキーワードとなっています。キーアクションと言った方がいいかもしれません。そんなキーアクションをとっている学校として注目をあびているのがこのグリーン・スクール。
学校なのに、ツアービジターは年間12000人とか。ツアーは1時間ほどの有料ツアーで(大人1800円ほど、学生1000円ほど)、ガイドは現役の先生だったり、他学校の職員です。ツアーからの収入は、インドネシア人のローカルの生徒の奨学金として使われ、全生徒数450人ほどの10%はローカルの学生です。


ツアー客は、子供を将来通わせたいであろう親や、子供達や、単にバリの観光スポットと言っても過言ではないこの学校を見に来た人たちでした。


学校が嫌いだった創始者のジョン・ハーディーが作った学校。
オープンなスペースで、机も黒板も移動でき、時と場合によりラーニングスタイルを変えるスペースは、子供達の好奇心と学ぶ意欲を一番に考えたカタチだとか。ずっと同じ机に座らなくていいんです。立ち歩いて、誰かと話し合いながら考えてもいい。本来、子供達はちょこちょこ動きたいですよね。
これをしたい!ということがあれば、プロジェクトとして企画書を書き、学校を説得して必要あらばファンドを出してもらいます。鶏のお世話をしたいある4年生のグループは、自分たちのプロジェクトとして企画書を書き、鶏小屋を作るにあたっての小屋のデザインから鶏の管理まで全て自分たちで進め、そこからライティングスキル、デザインスキル、チームワーク、生物学、そしてお金のことまでlearning by doing(実際にアクションしながら学ぶ)しています。

ヨガや瞑想のためのスペースもあり、ここは川のせせらぎも聞こえる2回建てのヨガスペースでした。子供だってそんな時間も必要ですよね。



水耕栽培は、中学生か高校生のプロジェクトでした。
 学校のトイレはコンポストトイレで(用を足した後はおがくずをかぶせます)、肥料は畑や竹林にまかれ、畑で収穫されたものは校内のキッチンで調理されてランチとして、竹は校舎の建築に使われるという。学校での日常全てのアクションがプロジェクトとして進められています。だから、いわゆる指定の教科書もなく、日々の暮らしと自然から学ぶそう。もちろんセオリーも必要なので、その都度専門のメンターがついて教えるそうです。


こんな泥沼さえも、マッド(泥)レスリングの場として使われるそうで、新入生・新先生のウェルカム儀式はここでレスリングだそうです。前回はここで体育やってました。皆泥まみれで。

ここまで歩いて見てまわって思ったのが、ここは私が子供の頃に壱岐で遊んでいた風景にも似たところ。農家のお家の子供であれば畑のお手伝いなんかをしたかもしれないし、私もこんな泥の田んぼの間に咲くお花で花かんむりを作った覚えがあります。都会っ子には新鮮な田舎の光景なのかもしれないけれど、「これ、壱岐にもある」なんて思った私。壱岐丸ごとグリーン・スクールになりうるフィールドはあるんじゃないかなと。


でも、こんなタービンを入れて水力発電を起こして学校の電力をまかなうアクションを起すのはすごい、さすがグリーン・スクール。こんな仕組みのようです。
ほとんど再生可能エネルギーだけで学校の電力をまかなう、言うだけでなく本当にやっているのがすごいなと思います。これ、子供達が一番すごい!と感動したスポットでした。

学校の理念。
40カ国以上のバックグラウンドが異なる生徒達が集まる学び舎、一つの屋根の下で過ごしていく上で大切な理念だと思います。ここでの大きな学びは、そんな仲間と過ごしながら刺激しあって高め合っていけることなのかも。 



プロジェクトの発表はとても大事で、チームごとに800人の前でプレゼンテーションするそうです。
各チームがプロジェクトのプレゼンテーションをするホールの舞台にて。

グリーンスクールが位置する村周辺コミュニティとスクールをつなぐバンブーの橋。


この塀のない学校は、"世界を持続可能なものにする学び人のコミュニティ"のミッションのとうりアクションしているし、子供達のピュアな好奇心やこれをしたい!という想いを原動力に環境を整えているなと思いました。

大自然の中で子供たちを信頼しきる。大人がするのはほんの少しの手助けと、子供達の好奇心を潰さない環境を提供することなのかなと思いました。学校の在り方、大人として親としての自分の在り方も考えた学校訪問でした。




コメント

このブログの人気の投稿

MAN in ARTLAND vol.3 壱岐FM76.5MHz ボブさん(斎藤ともゆきさん)/Radio station FM76.5MHz Mr.Bob

つい先週の壱岐!暖冬と言われながらも、気温32度のバリ島からやってきた私にはもちろん寒くて寒くて!そんな日でも、いつもニコニコのボブさんに会うとほっこり暖かい気分になりました。 スタジオも、Theプロフェッショナル! 軽やかに、いとも簡単そうに録音したものを編集する指先もTheプロフェッショナル! そんな、Theプロフェッショナルなお仕事モードの時でもいつも嬉しそうで楽しそうな壱岐FMのボブさんにお話を聞いてきました。 1. ボブさんの壱岐FMでのお仕事について教えてください。 Please tell us about your work at IKI FM76.5MHz. ラジオ局は、24時間356日休みなしで放送し色んな番組をお届けしています。僕が担当しているのは、月曜日から金曜日まで、1日3時間生放送で、3時間分の音楽やニュース、その他話すこと、ラジオを聴いている方々からのリクエストに応えるなど、楽しい時間を提供するための準備と放送をしています。 The radio station broadcast various programs 24 hours a day, 365 days a year. I am in charge of live broadcasting from Monday to Friday for 3 hours a day, preparing to broadcast music, news, talking, and responding to requests from people listening to the radio to provide fun time to all! 2. ボブさんがこのお仕事の好きなところはどんなところですか? What do you like most about your job? 聴く人を元気にできる!ですね。 ラジオを聴いていたから〇〇 、と言ってもらえることですね。 流れてくる音楽に何かを思い、話す言葉に何かを感じてくれて。 その何か?っていうのは聴いてくれる人それぞれです。そこを想像しながら放送するのが、自分を元気にさせてくれる。 自分も聴く人にとってもかけがえない時間が創造できる ということです♪ I can cheer up the list

WOMAN in ARTLAND vol.5 大下はるかさん/Haruka Oshimo

去年の11月に 【自分に潜るちくちく時間/make your own embroidery charm】のワークショプを開催してくださった大下はるかさんにインタビューしてみました! 1. はるかさんのお仕事についておしえてください。 Please tell us about your job. 本職は壱岐空港で、飛行機に関わる仕事を全般に行なっています。 I work at Iki airport and  I do all the work related to airplanes. 2. クリエイティビティの源は? What is your source of creativity? 自分が、可愛い!綺麗!感動! なんだかほっとするな! そんな、感覚を大事にして、気になるものには触れてみる、を大切にしています。 いままでに、気になるひとやものがあれば、とにかく会いに行ってました。そこで出会ったインドの刺繍や草木染め、唄やフラなど、とりあえずやってみたものがわたしの一部になっています。 I value my sense of feeling toward something cute, beautiful and impressive so then I touch the things I am curious about. Until now, if there were any people or things that I was interested in, I would go and meet/find them. Some of the things I've been working on, such as Indian embroidery, plant dyeing, songs and hula, that I found there are now part of me. 3. 休日はどんなことをして過ごしていますか? How do you spend your holiday? 猫とゆっくりごろごろしたり、海がとにかく好きなので、海でごろごろしたりしています。 たまに絵を描いたり刺繍をしたりフラを踊ったり。 いまはなんとなーくです

WOMAN IN ARTLAND vol.1 鬼凧制作者/Onidako maker 斎藤あゆみさん/Ayumi Saito

Artland IKIのメッセージである【多様性を祝福しよう!/Let's celebrate our diversity!】を、Artlandの人々の紹介というカタチでも始めたいと思います。 第一弾は、壱岐島のシンボル、鬼凧作りをされている斎藤あゆみさんに聞いてみました。 1. あゆみさんの鬼凧作りについておしえてください。 Please tell us about Ayumi-san's demon kite making. 祖父祖母から受け継いで壱岐の伝統工芸品を作っています。今は祖母と2人で作っています。鬼凧はもちろん字の通り凧揚げもしてますが魔除けの意味もあります。無病息災、家内安全の意味があり、地元では民宿や家の玄関に飾っている方が多いです。 I make traditional crafts of Iki inherited from my grandfather and grandmother. Now I make Onidako the kite with my grandmother. The kites are made to fly, but they also have the meaning of amulets. They are for  health and family safety.Many local people decorate their home entrance area with Onidako. 2. 休日はどんなことをして過ごしていますか? What do you do on your holidays? 福岡で仕事をして休日に壱岐で仕事しています。夜友達とご飯食べにいくのは楽しみです。 I usually work in Fukuoka and work in Iki on my holiday. I also enjoy going out for dinner with my friends at night. 3.今行きたい旅先は? Where do you want to travel now? 京都。何度も行っているが京都の雰囲気が好き。 Kyoto. I've been th